【悪性リンパ腫と闘った男の物語 第15話】お見舞い編

二宮 徹

2010年09月11日 19:25

「コンコン!」と優しいノックの音がする。このノックの仕方、そしてこの音は恐らくウチのフクフクだ!
彼女が動揺しないように、私は、すかさず頭にバンダナを巻く・・・。
「はい。どうぞ・・・。」

案の定、ティスコのフクフクがお見舞いにやってきた・・・。というよりも月末の支払い関係の確認である!
彼女はいつも手土産にヤクルトを持って来てくれる。しかもパックで!


彼女はほんとうにがんばり屋さんだ!この10年間、今までに彼女の口から忙しいとかバタバタしているとか一言も聞いたことがない。それだけプロ意識が強く、仕事に対する責任感も人一倍強いのだ。

「いつもありがとうね!」と心の中で感謝の言葉をつぶやく・・・。

さて、ふたりでシングルベッドの上に(つんくか!)取引先各社から届いた請求書を並べてチェックをおこなう。ベッドの上はまるでトランプの神経衰弱状態のように、きれいにたくさんの請求書が並ぶ・・・。

私は考えた・・・。私が居なくても会社はまわらなければならない・・・。たとえベンチャーであってもいつまでも私一人でなんでもかんでもやっていたら、会社の存続などありえない!
このときから、組織造りに着手していかなければならないことに気づいた。

無事に今月末の支払い内容の確認を済ませると、炎天下の中、彼女はまた遠く空港まで戻って行ってしまった・・・。

人生はドラマだ!


そう、いま私は生かされている・・・。そして世のため人のために尽くして生きた証しを残す。
この物語りも私の生きた証しであり、生き様である!

人生は一度きり!人生もベンチャーだ!

続く・・・。

そうそう、いま第14話を読み返して気づいた。「人生60年説」の話はまた次回にするとしよう!




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